「昔から金田一耕助のスタイルがカッコいいと思ってて、ずっと憧れていたんですよ。着物は
一度着たら周りを気にしないことが大事。確かに注目はされるけど、それで気にしてたら余計
カッコ悪いですからね。最初にイメージを決めるといいんです。水戸黄門でも鬼平でも、
『用心棒』の三船でも、なんでもいいから。そうすれば着物を選ぶ時も店の人と話ができますしね」
フムフム。だったらオレの場合はさしずめ竜馬か？でも、へたをすると武田鉄也になりかねないかも・・・？
それにしても理恵ネエさん、本当に着物愛好家の人たちって面白い人が多いですね。
「そういえば、東京省（とんきんしょう）さんを忘れてたわ。あの人、私たちの間では
”オバさん”って呼ばれてるんだけど、オシャレで楽しい人だから、ぜひ会ってみるといいわね」
”東京省さん”こと佐々木晃さんはイラストレーター。
「別にそんなことはないとワタシは思ってますけど。でも、おばさんって元気がいいじゃない
ですか。何があっても傍若無人というか（笑）。だから”おばさんになりたかった”っていう
のが、もしかしたら着物を着る動機の一つになってたかもしれないですね」
そういえば、汗をふきふき扇子であおぐ姿はどことなく・・・いやいや、でも、パソコンに
向かってるその姿、ステキですよ。
「フリーで仕事やってますから、とにかく顔を覚えてもらう必要があるんです。それで着物
だったら、１回行っただけでも１０回行ったのと同じくらいのインパクトがありますから。仕事が
切れないのも着物のお陰です」
そうですか・・・、最近、オレも仕事少ないしな。
「着物を着ることによって知り合った人は私の財産。間違いなく普段の生活や仕事では会え
なかった人に会えたりしました。それに、すぐ仲良くなれて、その付き合いがずっと続いて
います。それがものスゴイ宝です。人の輪が本当に広がりましたよ」
