ホテルエンパイア

目立つ！とにかく目立つ！

五重の塔ならぬ２１重の塔は、いやでも視界に入ってくる。

しかし、１９９５年に営業停止して以来の廃墟ホテルなのだ。

周りはセコムとネットで覆われて、侵入者を許していない模様。

室内もまだそのままの様子だが、

ツタが侵攻を開始している。。。。

ホテルエンパイア。別にアヤシイ事件で閉鎖されたわけではない。

TDLやシーパラダイスなどに押されてドリームランドの集客数が

減ってきたことによる営業不振が原因。

それでも３０年間、高級ホテルとして栄えたのである。

知る人ぞ知る「日本初の超高層ビル」で、あの霞ヶ関ビルより

２年も早く完成しているのだ。

最上階は食事をしながらフロア全体がゆ〜っくり回転する

「展望レストラン」だったらしい。

ちなみに、おネダンの方も「超高層」だったとのこと。

ふぅ〜・・・

それにしても、モノレールといい、ホテルエンパイアといい、当のドリームランド

といい、廃墟３連発・・・・・。

ここに住む人たちは、あと何年間、巨大な「夢の跡」を見続けて生きるのだろう？

「ねえ、おかあさん、どうして、私の住んでる団地はドリームハイツっていうの？」

「それはね、おかあさんも見たことないんだけど、昔ここに横浜ドリームランド

っていう日本一の遊園地があったからなんだって、おばあちゃんが言ってたわ」

「ふーん。じゃ、あの遠くまで延びているレールはなに？」

「あれも昔々、あそこを３色に塗られた美しいモノレールが走っていた線路なんだって。

でも、そのモノレールはおばあちゃんも見たことがないそうよ」

「へえ〜。それじゃ、あそこに立ってる大きな塔は？」

「も〜、めんどくさいなあ。。。江戸時代の科学者が月に行くためにこしらえたロケットなんだって！」

「そうかああああ！！！」

たったの１年間しか営業しなかったモノレールについては

基本的には、「車体の重量オーバーによるレールの亀裂」が原因。

ただ、それも、新型車両に取り替えたのが原因とか、営業以前から問題視されていたとか、

重量の計算を一桁間違えた（！！）とか（そのため１週間しか走らなかったとか）

諸説あって、おもしろい。

バブル期には、リニアモーターカーで再建の話もあったらしいが、

すでに「再開は絶対にない」と言われて住み着いた人たちから猛反対されて

壊すことも走らせることもできずに現在に至っているとのこと。

現在もその高架は、野を越え、丘を越え、くるまのガレージや民家のすぐそばを抜けて

JR大船駅まで続いている。

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